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名古屋市役所

 名古屋市教育委員会は20日、教員の校長や教頭などへの昇任選考で、審査に必要だった校長による推薦を廃止し、2025年度の人事から自己推薦方式に切り替えたことを明らかにした。校長らの人事に絡み、教員団体から推薦名簿と金品を受け取っていた問題を受けた対応で、人事の透明性を高めたいとしている。

 昨年、市教委教職員課に毎年、翌年度の校長や教頭らの人事について、校長会などから推薦名簿が提出され、現金や商品券も贈られていたことが発覚。市が設置した第三者の調査チームは再発防止策として「校長推薦が必要な昇任選考の見直し」を提言していた。

 これを受け、市教委は25年度人事から、昇任選考審査への応募に必要な所属校の校長推薦を廃止し、経験年数など一定の条件を満たせば自己推薦で応募できるようにした。昨年8月末に各学校に通知した。すでに自己推薦での選考作業は始まっている。

 広沢一郎市長はこの日の定例記者会見で「特定の団体の顔色をうかがうような習慣が改まることを期待したい」と話した。市教委によると、同じく政令指定都市の大阪、神戸、京都、横浜の各市教委は自己推薦方式を採用しているという。

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